民間資金活用事業

PFIの「メリットとデメリット」と駐車場事業での取り組み

市民権を得た感のあるPFI(PPP)ですが、全国的に見た場合は失敗事例(破綻)も散見されます。
原因は複合的なものだと考えられますが、主因は採算性の見通しの甘さにあると言えそうです。その様な観点からも、一定の収益性(収入見通し)が見込みやすい、公共駐車場はPFIになじみやすい施設といえます。

◆「PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法です。

◆民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することにより、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる事業について、PFI手法で実施します。

◆PFIの導入により、国や地方公共団体の事業コストの削減、より質の高い公共サービスの提供を目指します

◆我が国では、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)が平成11年7月に制定され、平成12年3月にPFIの理念とその実現のための方法を示す「基本方針」が、民間資金等活用事業推進委員会(PFI推進委員会)の議を経て、内閣総理大臣によって策定され、PFI事業の枠組みが設けられました。

◆英国など海外では、既にPFI方式による公共サービスの提供が実施されており、有料橋、鉄道、病院、学校などの公共施設等の整備等、再開発などの分野で成果を収めています。

PPP:パブリック・プライベート・パートナーシップ(公民連携)。PFIは、PPPの代表的な手法の一つといえます。PPPの中には、PFI、指定管理者制度、市場化テスト、公設民営(DBO)方式、さらに包括的民間委託、自治体業務のアウトソーシング等も含まれます。

【メリット】

◆公共部門
・財政支出削減の可能性があります。
・公共のリスクを民間へ移転することが可能になります。

◆民間部門
・新たな投資機会や、事業機会が生まれます。
・安定した収入が見込めます。

◆利用者:住民
・情報公開が進むことが期待できます。
・モニタリングによるサ-ビス質の確保できます。

【デメリット】

◆公共部門
・準備に時間がかかり手続きが煩雑です。
・PFIにかなう事業が多いとは限りません。

◆民間部門
・参入するためには準備が大変ですし、経験と実績も必要になります。
・それらに対応できる企業が限定される可能性があります。
・リスクを負担できる企業は限られます。
・一般的に投資回収期間が長期にわたるケースが多いです。

本事業は神戸大学附属病院敷地内において、駐車場の設計・建設、維持管理、運営業務をPFI事業として実施するものです。PFI事業会社(神大パーキングサービス株式会社)が駐車場を建設・所有し、運営期間中に駐車場の料金収入で建設費等を回収し15年後に大学に譲渡する独立採算型BOT方式で、国立大学法人のPFIでは初の独立採算型事業です。

■事業概要

業務内容:施設の所有、設計、建設、維持管理、運営
事業方式:BOT方式・独立採算型
事業期間:15年間

事業概要

■施設概要

事業地:神戸市中央区楠町7丁目5番地2号
構造規模:7,439m² S造 3階・塔屋1階、駐車台数355台

施設概要

弊社では、箕面駅前駐車場の再整備(建替え)及び管理運営に関するPFIに取り組んでおります。
平成25年8月7日に優先交渉権者に選定され、平成25年9月30日に特定事業契約締結済みです。事業主体となるSPC(箕面駅前パーキングサービス)に対し、弊社は約半分の49%を出資済みです。(白青舎様:51%出資)
第1駐車場は平成27年4月1日から解体・建替え工事に着手し、1年後の供用開始を目指します。現在、鋭意設計中です。
第2駐車場は平成27年4月1日より維持管理運営をスタートさせます。
白青舎、日本駐車場サービス、前田建設工業、大丸コム、大建設計の5社コンソーシアムで取り組んでおります。

弊社の取り組み